海田町(カイタチョウ)名誉町民 織田 幹雄(オダ ミキオ)氏をたどる
第10回 楽しいスポーツ
海田町(カイタチョウ)のスポーツカレンダー題字「楽しいスポーツ」は織田 幹雄(オダ ミキオ)さん直筆(ジキヒツ)の文字です。「スポーツは、苦痛であってはいけません。」「目標を達成する喜び、その過程での成長する喜びなど様々な楽しみがあります。スポーツの基本は、走り方からスタートすべきであり、すべてのスポーツに共通しています。」と著書の中で語っている織田(オダ)さん。そこで、今回は織田(オダ)さんの練習への姿勢や指導について辿っていきます。
陸上競技は、面白く楽しい 自分のためにやっているのだから
織田(オダ)さんの陸上競技訓10条の第1番目は「楽しく」から始まっています。織田(オダ)さんはどんなにきつい練習をしても、「今度は勝つぞ、勝ってやろうという楽しみがあったからいくらでも頑張れた」と言っています。練習を楽しくするには、自分自身が面白いと感じながら練習することが大切と考えていました。当時は、現在と違いコーチはおらず、ビデオも無いなど自分を客観的に観ることができなかったため、友人に「このような動きを作りたいので試してみるから、出来栄えを観て欲しい」と頼んだりして自分で考えた練習をしていました。
子供の頃からスポーツが好きで、サッカー、野球、ラグビー、テニスとなんでもやっていた織田(オダ)さんが陸上競技を好きになった理由は、繰り返し練習したら記録が伸びて、成長する自分が見えたから、そして、日々の記録を手帳に書くことで、どうしたらより遠くへ跳べるのか、練習はどうしたらいいのか全部自分で考えることができたからでした。
コーチとして
「今の選手は、コーチに頼りすぎており、自分で考えて行おうとする姿勢がないから本番で負けてしまうんだ。」と言っていた織田(オダ)さん。また、「コーチは、もっと勉強しなくてはいけない。自分のやってきたことにとらわれ過ぎずに、それぞれの選手に合った合理的な体の動きを作り出す方法を、選手自身に見つけさせるようにするのがコーチに必要な技術である。」とも言っていました。
織田(オダ)さんは陸上競技以外からも身体(カラダ)の動きについて学んでいました。野球からは、有名投手の身体(カラダ)をひねる動きで「腕に力とスピードが加わる」ことを、歌舞伎やバレエダンスからはバランス・タイミング・リズムの基本的な動きを学んでいました。「基本的な身体(カラダ)の動きを改めた上に筋力強化などの科学的トレーニングを加えることによって、スポーツの技術力が向上する。」とも話していました。