5月に本町で行った県・市町連携会談を踏まえ、西田(ニシダ)町長は2期目のまちづくりに向けた抱負を湯﨑(ユザキ)知事に報告しました。
※県・市町連携会談とは、県と市町の施策の方向性を共有し、一層の連携強化を図るとともに、中長期的に取り組むべき施策や地域の将来ビジョンについて、知事と市・町長がそれぞれの立場から率直な意見交換を行うための会談です。
町長 海田町長としての2期目では、防災力・都市力・経済基盤力・育成力・家族力のこの5つに注目し、いかに暮らしやすさを実現できるか、これをテーマにしています。
また、SDGs(エスディージーズ)(※SDGs(エスディージーズ)とは、「Sustainable Development Goals=持続可能な開発目標」の略。2015年の国連総会で全加盟国が達成すべき目標として全会一致で採決された。)の中から照らし合わせて、さまざまな施策を行います。先に挙げた5つをSDGs(エスディージーズ)に当てはめ、具体的に22個のターゲットを選びました。これを進めるというのを2期目で頑張りたいと思っています。
町長 まず、防災力について。本町では、住民の命や財産を災害から守るために、災害復旧工事やインフラ強靭化を進めています。現在、広島県に奥之谷川えん堤(エンテイ)の改修工事を来年の出水期までの完成をめざして行っていただいています。これがあったからこそ、平成30年7月豪雨災害では被害が軽減されました。今後も順次、えん堤(エンテイ)の追加整備をお願いしたいと思っています。そして、復旧状況の確認作業を頻繁に行い広島県や本町の取り組みを住民の皆さんにもお伝えしたいと考えています。
2つ目に都市力。本町(ホンチョウ)は交通の要衝です。現在、東広島バイパスや広島南道路、連続立体交差事業などが進行中で、ネットワークも少しずつ強化されてきています。また、海田コンテナターミナルでは広島県の輸出の半分近くを担っているので、重要ハブ港となるでしょう。でも、これに甘んじてはいけないのでまだ磨きたいという思いがあります。
3つ目に経済基盤力。これはですね、本町(ホンチョウ)の場合、昼の人口が非常に多いんですよ。ベッドタウンではなく、逆です。
それから、大きなスーパーマーケットが7つほど点在しているという。ほかの市町にあるモールというタイプではなく、日常に利用するスーパーマーケットが点在している。また、医療機関も多く、非常に暮らしやすさが実感できます。町内で生活に関することの大部分が賄えるので、地域内でお金が還流します。そこから得た税金を町内の皆さんのために有効活用したいと考えています。
4つ目は、育成力です。今、本町(ホンチョウ)の小学校も中学校も子どもたちの学力が大きく伸びています。
全国学力調査では、小学校で国語、中学校では数学が県内でトップクラスでした。
それと、私立中学校ができたんですよ。
知事 広島国際学院中学校ですね
町長 そうです。私立中学校の良さを取り入れつつ、少しずつ磨きながら、この教育力を押し上げていきたいと考えています。
5つ目は、家族力です。本町ではネウボラと健康寿命に力を入れています。
ネウボラでは妊娠から出産・子育てまで段階に応じてサポートできるよう、さまざまな取り組みを行っています。母子健康手帳を発行したときから、役場の窓口で積極的に案内を行ったり、イベント情報を掲載した『広報かいた』を毎月町民の皆さんにお配りしているためか、ネウボラの利用者数は累計5万人を突破しました。また、10月からは、かいた版(バン)ネウボラアプリを始めました。子どもさんの成長記録はもちろんのこと、予防接種のタイミングなども管理することができる便利な電子版母子健康手帳です。
このように、本町ではいろんな施策を行っていますから、人口も増えてきています。特に働き世代が非常に増えてきているので、子どもが多く生まれています。また、転入者も増えています。
今後もさまざまな角度から情報を取り、長期的視点、バックキャストの考え方(※バックキャスト思考とは、未来のある時点に目標を設定しておき、そこから振り返って現在すべきことを考える方法。)で、今からの本町をどうするかということを引き続き考えていきたいと思っています。
知事 すごいですね。海田にならえ ですね。
ネウボラも、やる以上は虐待がなくなっただとかそういうふうに成果を上げなければならないですね。
町長 そうですね。人口も健康寿命も、大きな動きはすべて広島県の動きをできるだけバックアップするように それから、5月の連携会談後に、ネウボラの取り組みについて、我々(ワレワレ)でも話し合いまして、相談に来ていただけないかたにどうやってアプローチをしていくのかということを十分に考えて、次年度(ジネンド)に向け、一生懸命計画づくりを進めています。
これらの5つのまちづくり施策を柱として2期目を頑張りたいと思います
5月の連携会談内容のまとめ
昨年5月の連携会談では、本町(ホンチョウ)の子育て支援の中心となっているひまわりプラザを訪れ、かいた版(バン)ネウボラを視察しました。
湯﨑(ユザキ)知事は、子育て支援に力を入れてきた本町(ホンチョウ)の取り組みを高く評価し、西田(ニシダ)町長とさまざまな意見交換を行いました。
その中で「本町(ホンチョウ)のネウボラ利用者は増加傾向にあるが、利用しない人をどのようにフォローするか」が課題の一つとして挙げられました。近所付き合いなどが少なく、孤立して育児をするお父さん・お母さんや育児に不安を抱えるお父さん・お母さんなどに、いかにネウボラへ来てもらいやすく工夫できるか、また、見守られているという思いを実感してもらえるかということが大切であるという共通認識をもちました。
防災対策については、平成30年7月豪雨災害時に、避難するなど実際に行動した人が少なかったということが課題として挙げられました。子育て支援策でも話題となったひまわりプラザなど、日頃から利用している施設を避難所として活用することは気軽に利用しやすく、早めに避難したとしても、子どもを遊ばせることができるのではないかとの感想を受けました。