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今をときめくまちのあの人に会いに行く ボリューム8

海田町(カイタチョウ)にゆかりのある人を毎月ピックアップし、現在の活動や仕事から、海田町(カイタチョウ)への思いまで深掘りしていきます。

12月号では、海田町(カイタチョウ)に本社を置く株式会社西井製作所代表取締役社長の西井 裕昭さんにお話を伺いました。海田町(カイタチョウ)のふるさと納税返礼品(ヘンレイヒン)にも用いられている『伊久馬』を製作する同社。ものづくりにかける思いや海田町(カイタチョウ)にかける思いを聞かせてもらいました。

西井裕昭さん

株式会社西井製作所 代表取締役社長

プロフィール

にしい・ひろあき

高い技術力(ギジュツリョク)と開発力(カイハツリョク)で業界をリードする『株式会社西井製作所』代表取締役社長。社員のみならず、その家族も大切にする経営手腕で会社を率いる。ワークライフバランスを軸にした学校行事に係る休暇など、福利厚生を充実させ社員からの信頼も厚い。趣味はアウトドア。

技術つながるものづくりひとづくりもだいじにして

大正7年、広島市の段原町にて産声をあげた「西井伊久馬商店」が私たちの会社の始まりです。当時は自転車の鑑札やキセル掃除機などを手掛け、金属を叩いたり曲げる技術を得て戦時へ。魚雷の開発に携わり、金属を削る技術が向上したと聞いています。その後、金属加工から仏壇の金具を扱うようになり、日本で初めてプレス機による仏壇金具の量産化に成功します。

はずみをつけた会社は、精密金型や航空機のエンジン部品など、開発製作の範囲を広げていきました。現在はナンバープレートや航空機のエンジン部品を中心に半導体分野にも対応するなど、仕事内容は多岐にわたります。

私たちの会社で大切にしているのは、「経営」と「ビジネス」の両輪。「ビジネス」では当然、売り上げを得るための技術研鑽や品質保持などをだいじにします。もう一方の「経営」は、「どんな会社にしていきたいか」という部分。西井製作所ではものづくりをしながら、それと同じくらい“ひとづくり”に心を砕いてきました。良き人が良き会社をつくり、それがひいては良き地域、良き暮らしをつくると考えているからです。

人の役に立ち、人生の真の勝利者(ショウリシャ)へ

ひとづくりで大切にしているのは、社員一人一人の能力が向上し個が輝ける環境。社内では話し合いの場を多く設け、自分の思いを述べる機会をつくっています。

例えば一週間の振り返りを行う際は、ナイスジャッジとミスジャッジを発表し、何が学びと気づきになったのかを皆で共有します。心のうちを見直す時間としては朝の清掃もだいじです。近隣のゴミ拾いを通じ、自分たちの会社がまちに生かされているという心を、社内では素手清掃を励行することで自身の心を磨く機会にしています。

会社の経営理念は、「自らの成長を通じ、人々のお役に立ち感謝される会社をつくります。そして、全員で人生の勝利者(ショウリシャ)になります」というもの。ここで指す“役に立つ”は、相手の期待通りの成果を出すことではありません。自分の能力や魅力を最大限に発揮し、相手の期待以上の成果を出すことを意味します。また、相手は特定の人のみならず、「お客様」「社員」「地域」「社会」「環境」など、私たちを取り巻くすべての人々の役に立つことで、感謝が飛び交う社会を創造していきたいのです。さらに“人生の勝利者(ショウリシャ)” とは自分自身の人生を振り返って物心共に豊かな人生を送るだけでなく、周りの人たちから「あなたのおかげで…」と言ってもらえることが真の勝利者(ショウリシャ)だと思っています。この言葉を胸に刻み、感謝の言葉をいただける人として、企業として、しっかりと歩み、永続させていきたいと考えています。

海田町(カイタチョウ)と縁ができた本社工場の移転

本社工場が海田町(カイタチョウ)に移転したのは2013年。以前の宇品では24時間稼働が難しくなったのが移転のきっかけです。

当時は宇品近隣から通勤している社員が多かったため、移転しても通勤可能な場所であること、会社のお客様が呉近辺に多く、製品の搬送等を考えたときに利便性が高かったことが決め手でした。実はそれまで海田町(カイタチョウ)には縁がなく、どういう地域かもしっかりとはわかっていませんでした。会社を取り上げていただいたテレビ番組出演の際、「あなたの会社があるまちはどんなまちですか」という質問をされ、うまく答えられなかったことを今でも恥ずかしく思っています。移転してから8年になりますが、少しずつまちのことがわかりとけ込めるようになってきました。中学校の職場体験では元気いっぱいの生徒さんが会社を訪れ、ものづくりを経験してくれていますし、町外(チョウガイ)からかよっている社員たちは、このまちに対する愛着を深めています。「休みの日に日浦山登山に行ってきました」という社員もいれば、「次の飲み会は会社近くのユニークな看板のお店で行おうと思います」と報告してくる社員までいて(笑)、思い思いにまちを満喫しているようです。うちの会社の作業着(サギョウギ)がデニム地で特徴があるからか、コンビニの店員さんに「その作業着(サギョウギ)かっこいいですね」と声をかけてもらったこともあり、少しはまちになじめてきたのかなとうれしく思っています。

地場産業の発展にも尽力 まちと共に歩んでいきたい

私たちがおこなっている活動のひとつに、「一般財団法人広島伝承技術振興センター」というものがあり、これは広島県の地場産業の伝承と発展に寄与するため、1995年に設立されました。具体的には地場産業に従事する技術者への助成金(ジョセイキン)支給や新技術の開発事業支援をしています。「広島という土地に大きくしてもらった会社だから、得たものを地域に還元したい」。そんな思いが込められたこの取り組みを、ぜひ海田町(カイタチョウ)で地場産業に関わる人たちにも活用していただきたいと思います。また、広島には昔から「銅蟲」(どうちゅう)という伝統工芸品が存在していましたが、職人が減り、技術の継承が困難になっていました。これを復活させ、製品として日常に届けているのが、わが社が提案する銅蟲製品のブランド『伊久馬』です。銅板を何度も叩いて独特の模様と艶を出しているため、重厚感と温もりがあります。職人が生み出す手仕事を気に入っていただき、ビアカップやハイボールカップは海田町(カイタチョウ)のふるさと納税の返礼品(ヘンレイヒン)にも用いられています。そんなつながりを知っていただきながら、このまちの人たちに、もっと親しんでもらえる会社になればいいですね。

MY Favorite 海田のお気に入り

シルエットが美しい海田大橋

利便性もさることながら佇まいの美しい海田大橋が大好きです。ものづくりに携わる人間として、大きさや迫力を宿したシルエットにとても心惹かれます。通勤時には橋と朝日のコントラストを見ることができ、「今日も一日頑張るぞ」というやる気がわいてきます。

今をときめくまちのあの人に会いに行く 募集

企画課(役場3階)

電話番号823-9212

メールアドレスkikaku@town.kaita.lg.jp

広報かいたにご出演いただける人を募集中。自薦他薦は問いません。海田町(カイタチョウ)で活躍していたり、新しいことに取り組んでいたり、まちのことが大すきな人をお待ちしています。興味がある人は上記の連絡先より問い合わせてください。