ページの先頭です。

今をときめくまちのあの人に会いに行く ボリューム9 新春特別対談

海田町(カイタチョウ)にゆかりのある人を毎月ピックアップし、現在の活動や仕事から、海田町(カイタチョウ)への思いまで深掘りしていきます。

1月号では、広島県海田町(カイタチョウ)教育委員会教育委員である林孝さんをお招きし、「これからの学校教育と地域のつながり」をテーマに、昨今の教育現場の状況や関わる地域のあり方について町長と対談していただきました。

町長と林孝さん

広島県海田町(カイタチョウ)教育委員会 教育委員(教育長職務代理者)

プロフィール

はやし・たかし

広島県海田町(カイタチョウ)教育委員会教育委員(教育長職務代理者)、広島県社会教育委員連絡協議会会長。1989年より広島大学で教鞭を執り、2019年4月名誉教授。現在も客員教授を務めている。令和3年度地方教育行政功労者として文部科学大臣より表彰された。

若い世代と子どもの人口増教育分野でも多数のメリット

町長:近年の海田町(カイタチョウ)の人口は、若い世代が増加している傾向があります。年代でいうと20から30代くらい。それに伴い子どもの数も確実に増えています。クラスの数の増加など、保護者の皆さんも感じているのでは ないでしょうか。若い世代が増えるとまちに活気が出ますし、住みやすさや暮らしやすさを実感してもらえているのかなとうれしく思います。子どもたちの数が増えると、教育ではどんな良い面があるのでしょうか。

林:まずは教員の数を一定数確保できること。子どもの人数が減れば先生の人数も減りますし、ギリギリの人数で授業を行わなければならない場面も出てきます。先生が増えることで学びの質を担保できるところが一つ目のメリットですね。もう一つは、子どもたちの人間関係に広がりが出ること。もちろん、それに伴うトラブルもあると思いますが、広い人間関係の中でもまれて吸収できることも多いもの。あとは、まちの施設が充実してくる点も良いところだと思います。

町長:施設の充実に関しては、私の頑張りどころでもありますね(笑)。

学校とまちの協力体制で学力も向上

林:海田町(カイタチョウ)では、社会教育施設である2つの公民館やふるさと館、町立図書館の存在が良いですね。町立図書館は蔵書も充実していますし、司書の配置もしっかりしている。読み聞かせボランティアの育成など、子どもたちが本にしたしめるような工夫をしています。

町長:図書室に関しては、学校現場も整備されています。海田町内の小学校・中学校に各1名の学校司書を配置して書籍の入れ替えをこまめにしたり、授業と連携したさまざまな取り組みをしています。

林:海田中学校の俳句の投句は、国語の授業を学校司書と一緒におこなっていますね。ほかにも新聞を活用した授業をしたり朝読の時間を設けていたりするなど、各学校で活字に触れる機会を多く作っています。

町長:実は私も海田中学校の出身で、当時は漢詩を覚えるという取り組みをしていました。今でもそらんじている詩がいくつかあるほどですよ。

林:海田町(カイタチョウ)の平均学力は国語と算数(中学は数学)において小中共に県平均を上回っていて、しかもそれが数年間続いている状況です。学校での先生がたの熱心な指導、まちをあげての教育へのサポート体制がこのような数字を生み出しているんじゃないでしょうか。

町長:海田町(カイタチョウ)には大きく分けて2つの中学校区が存在しており、小学校・中学校の9年間通じての学びを基盤にしています。そういった小学校・中学校の連携効果も大きいかもしれませんね。

子どもたちの伸びを左右する教育環境

林:あとは、コロナで加速したDX(デジタルトランスフォーメーション)。学校現場におけるICT教育の導入が一気に進んだように感じます。海田町(カイタチョウ)は広島県内でもスタートが早かった。現在、小中共に一人1台の端末が整備されていますね。

町長:そうですね。環境によって子どもの伸びは変わるので、今何が必要かを考えるのはとても大事です。今後も日々考えていきたいです。

林:環境が整うと、自分から学ぼう、学びたいという意欲が出てくる。自発的な学びの姿勢が醸成されるのはとても大切だと思います。毎年夏休みにおこなっている「こども議会」もその1つです。

町長:各小学校・中学校から選ばれた20名のこども議員が、実際の議場を使って一般質問を投げかけてくる。まっすぐな意見だからこそ、するどい内容もありますよ(笑)。それでも子どもの目線で見つけたまちを良くするアイデアは、なるほどなと思わせられるところが随分あります。 SDGsを念頭に置いた提言などは、未来を見据えた教育が行き届いている賜物だなとうれしく思いました。

林:自分で考えるちから、発言するちから、他者と協働するちから……こども議会の取り組みを通じて、きっと子どもたちにさまざまなちからが身についているんでしょうね。

まちづくりは、人づくり海田の未来を後進に託して

町長:ずばり、これからの教育に必要なのはどんな部分だとお考えですか。

林:今までも学校を支援する仕組みはありましたが、やはりコミュニティ・スクール(学校運営協議会制度)が重要視されてくるんじゃないでしょうか。コミュニティ・ スクー ルとは、学校と保護者や地域の皆さんが共に知恵を出し合い、学校運営に意見を反映させたり、協働しながら子どもたちの豊かな成長を支える制度です。学校が掲げる目標やビジョンを共有して、地域と一体となって子どもたちを育んでいきます。各学校で総合的な学習の時間など、地域の人たちのちからをお借りして学びの場を設ける機会はありましたが、これからもっと、地域一体となって子どもたちの健やかな成長を育んでいけたらと思います。

町長:“人づくりはまちづくり、まちづくりは人づくり”ですからね。教育はその最たるものだと思います。今までも、まちが人を育てることで、より良いまちが形成されてきました。未来ある子どもたちが多くの学びを得て、このまちをこれから背負っていってくれるなら、こんなに頼もしくうれしいことはないですね。

MY Favorite 海田のお気に入り

昭和公園付近の四季の眺め

通称「三角公園」とよばれている昭和公園付近の、四季折々の景色が気に入っています。園内にも周囲にも桜があり、川沿いの風景も相まって春には見事な眺めです。葉が赤や黄色に色づく秋もいいですね。吹き抜ける川風が心地よく、時々孫と一緒に遊びに行ったりすることもあり、思い出の多い公園です。(林)

今をときめくまちのあの人に会いに行く 募集

企画課(役場3階)

電話番号823-9212

メールアドレスkikaku@town.kaita.lg.jp

広報かいたにご出演いただける人を募集中。自薦他薦は問いません。海田町(カイタチョウ)で活躍していたり、新しいことに取り組んでいたり、まちのことが大すきな人をお待ちしています。興味がある人は上記の連絡先より問い合わせてください。