棗田 龍介巡査
広島県警察機動隊 兼 海田警察署 所属
憧れ続けた父の背中を追い 剣の道と警察官を志して
初めて竹刀を握ったのがいつだったかはっきり思い出せないのですが、物心ついたときには道場に足を運んでいました。現在、広島県警察で剣道の主任師範を務めている父は、父であると同時に師。厳しかったけれど、竹刀を持つ凛とした姿が、とても格好良かったのを覚えています。5つ年上の姉も剣道を習っていたので、道場に行って稽古を見るのが好きでした。自分が本格的に始めたのは小学校2から3年生の頃だったと思うのですが、見るのは好きでも、するのは嫌い。嫌々稽古に汗を流す日々でした。本気で取り組みはじめたのは、試合に出るようになってからでしょうか。最初は、父の「ご褒美を買ってあげる」という提案が魅力的で出場していたのですが(笑)、いつの間にか自分のために「試合に出たい」「強くなりたい」という気持ちが芽生えていました。当時は週に3回程度、地元の「亀山剣道クラブ」へ。中学校に入学してからは部活も剣道部だったので、まさに剣道漬けの日々でした。高校は自らの意志で、強豪校である茨城県の水戸葵陵高等学校に進学。慣れない寮生活で、これまでいかに家族にサポートしてもらっていたか恵まれた渫境だったかを痛感しました。
全日本剣道選手権優勝、広島県勢初の快挙
高校では、当然ながら周りは皆、猛者揃い。選手として試合に出られないという悔しい思いも、随分味わいました。中学生の頃までは基礎を大切に練習をおこなってきましたが高校にはいってからは技も増え、自分が飛び込んでいくよりも相手の攻撃を受けてどう返すかが身につくようになりました。高校3年生の頃にインターハイの個人戦で3位という結果を収め、日本体育大学に進学。朝も夕も稽古に励める環境でしたが、大学2年生の頃に新型コロナウイルスの蔓延で通学ができない状況にも陥りました。1年間は広島に戻ってオンラインで授業を受けつつ、地元のスポーツセンターなどで練習。通常の授業や稽古環境が戻ってきたのは、4年生になってからでした。主将の責任と、「剣道日本一に」というプレッシャーを背負って臨んだ全国大会では、団体戦で準優勝、個人戦でベスト8という結果に終わりました。団体での優勝は逃しましたが、それまでの練習がとてもハードだったので、「やり切った」と言えるくらいの清々しい気持ちになりました。その後は父と同じく広島県警察に就職し、警察学校で訓練を受けつつ、剣道の稽古にも注力。教養などの授業を受ける中で練習時間も確保してもらい、全日本剣道選手権の予選にあたる広島県大会で、何とか優勝を収めることができました。そして2023年11月に行われた全巳本剣道選手権では、思いがけず勝ち上がることができまさかの優勝。さらに、広島県勢で初。誰よりも、自分が一番信じられない気持ちで、安堵感でいっぱいになりました。
人として正しく、高みを目指したい
振り返れば、これまでずっと、誰かに支えられ、励まされてきた剣道人生だったと思います。師である父の指導に始まり、高校、大学ではライバルと思える同級生に刺激を受け、切磋琢磨することができました。そして今、広島県警で剣道に打ち込めているのも、理解を示してくれる組織や、いつも応援してくれる同期、家族の存在あってこそだと感じています。現在所属している海田警察署では実習生の立場で、地域課や交通課など、色々な部署で経験を積ませてもらっています。海田町(カイタチョウ)は比較的事件が少なく、安全安心な地域であると感じています。織田幹雄さんという偉大な陸上競技選手を輩出したまちでもあるので、ここでくらせることに喜びを感じています。今後は父の教えである「人として正しく」という言葉を胸に、県民の皆様の役に立てるような、一人前の警察官をめざしていきたいです。そして目下の目標は、2024年7月に行われる剣道の世界大会に挑戦すること。合宿にも呼んでいただいているので、まずは選手に選ばれるよう、練習に励みます。そしてさらに、次の全日本剣道選手権でも、自分自身が納得できるような結果を残すことができたらと考えています。
MY Favorite 海田のお気に入り
アットホームなお好み焼店「夢樹」
お好み焼、鉄板焼の店「夢樹(ムージュ)」がお気に入りです。何を食べてもおいしく、温かい店の雰囲気も好きで、よく足を運んでいます。同期と一緒に飲みに行くことも多く、他愛ないおしゃべりとおいしいご飯が、日々のエネルギーの源になっています。
出演者募集
企画課(役場3階)
電話番号823-9212
メールアドレスkikaku@town.kaita.lg.jp
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