ページの先頭です。

今をときめくまちのあの人に会いに行く ボリューム44

海田町(カイタチョウ)にゆかりのある人を毎月ピックアップし、現在の活動や仕事内容から、海田町(カイタチョウ)への思いまで深掘りしていきます。

1月号では、海田町(カイタチョウ)出身、海田町(カイタチョウ)在住で長唄三味線(シャミセン)奏者の川東陽華さんを取材。川東さんは、海田町(カイタチョウ)と広島市の2カ所で三味線(シャミセン)の教室を持ち、長唄三味線(シャミセン)を通じて日本の伝統文化を世界に広める活動をおこなっています。川東さんの生い立ちや海田町(カイタチョウ)の思い出、演奏にかける思い、今後の目標などについてお聞きしました。

川東 陽華さん

長唄三味線(シャミセン)奏者

両親の影響で和楽器に興味 長唄三味線(シャミセン)の虜になって

母が和太鼓のメンバーで、私も幼い頃から和太鼓に親しんできました。父は趣味で篠笛もしており、私が高校2年生のときに「大学でお囃子を学んでみないか」と勧めてきたのです。和楽器がすきだったので、それもいいかもと考えて、東京藝術大学音楽学部邦楽科をめざすことに。受験時に小鼓や三味線(シャミセン)を習い、そこで初めて「三味線(シャミセン)って面白いな」と感じ、受験専攻を長唄三味線(シャミセン)に変更。入学後は長唄三味線(シャミセン)専攻の学生として、4年間みっちりと技術を磨きました。長唄とは近世邦楽の一種目で、江戸時代に歌舞伎や舞踊の伴奏音楽として発展した三味線(シャミセン)音楽の一つです。そこで奏でられる長唄三味線(シャミセン)は、オーケストラでいう指揮者やコンサートマスターの役割を務め、かけ声やイキで合奏全体を統率しています。独奏とは違って皆で音楽を作り出すところや主旋律となるメロディーを奏でる点は長唄三味線(シャミセン)の魅力と感じています。また、雨音や風音、波音、虫の音など、日本の四季や情緒を音楽で表現するのが、和楽器の最大の魅力だと感じます。大学卒業後は演奏家を志し、故郷である海田町(カイタチョウ)へ帰郷。ありがたいことに演奏会やイベント出演の依頼を少しずつ受けるようになり、活動の幅を広げていきました。

旧千葉家住宅で演奏会を開催

演奏活動と同時に海田町(カイタチョウ)で長唄三味線(シャミセン)教室を開講。「以前から習ってみたいと思っていて」と言われる生徒さんが、足を運んでくれるようになりました。10代から70代くらいまでと幅広い年齢の生徒さんが通って(カヨッテ)くれ、特に若い世代の方は「YouTubeで三味線(シャミセン)演奏を見てかっこいいなと感じて」「和楽器バンドに憧れて」といった理由で始める方が多く、三味線(シャミセン)をかっこいいと感じてくれることを、大変うれしく思いました。4年ほど前には、2つ目となる京橋教室を広島市中区でスタート。お稽古のほかに、年(ネン)に一度、安芸区民文化センターで発表会を開催し、日頃の成果を振り返る機会にしています。さらに今年は、「けんみん文化祭ひろしま’24」に10名の生徒さんと一緒に出場し、優秀賞をいただくことができました。また、私自身の活動として、旧千葉家住宅座敷棟建築250年記念事業の一環で演奏を披露。旧千葉家住宅は、江戸時代の面影をそこかしこに宿す風情漂う空間で、「かつてはここで箏などが奏でられていたのかもしれない」。そんなことを思いながら、日本文化の良さをしみじみと感じつつ、演奏を行うことができました。聴いてくださったお客様からもとても好評で、「三味線(シャミセン)の音色が旧千葉家住宅の雰囲気にすごく合っていてすてきだった」というような声をいただき、励みになりました。

日本人特有の繊細な感性を育みたい

かつては演奏家活動のかたわら、海田の小学校で非常勤講師を務めておりました。海田の子どもたちは、とても素直で明るい子が多いなと感じます。学校の芸術鑑賞会などで演奏を披露する機会もいただき、そこで三味線(シャミセン)に興味を持った生徒が、発表会を見に来てくれたこともありました。長唄三味線(シャミセン)を含め、和楽器を嗜む人は年々数が減っています。日本人のルーツともいうべきこの伝統音楽を、少しでも多くの人に知ってもらい、継承してほしいと願っています。とりわけ若い世代の人には、その魅力を早くから感じていただきたいです。子どもたちはやがて大人になり、世界へ羽ばたいていく場合もあるでしょう。そのときに、文化や音楽はコミュニケーションツールにもなり得ます。母国の文化がどのように発展してきたのか、そこで奏でられる音楽は何を表現しているのか。日本人特有の感性が詰まった和楽器音楽を言葉で語るのは難しいかもしれませんが、そこから溢れる古き良き情緒は、私たちのアイデンティティを伝えてくれるはずです。そして、子どもたちには幼少期から日本文化にたくさん触れ、繊細で豊かな感性を大いに育んでいってほしいと思います。長唄三味線(シャミセン)(シャミセン)の活動が、これからの未来を創る子どもたちの情操教育に役立つことを願い、今後も一層精進してまいります。

MY Favorite 海田のお気に入り

愛犬の散歩で訪れる海田湾&日浦山

町内にはすきなところがたくさんありますが、とりわけ海田湾のあたりがお気に入りです。愛犬と散歩に出かけ、海田大橋と海、そこから見える夕日などを眺めて楽しんでいます。幼い頃に家族で登山にチャレンジした日浦山も思い出が多く残る場所です。

出演者募集

かいたブランド課(役場3階)

電話番号823-9212メールアドレスbrand@town.kaita.lg.jp

広報かいたにご出演いただける人を募集中。自薦他薦は問いません。海田町(カイタチョウ)で活躍していたり、新しいことに取り組んでいたり、まちのことが大すきな人をお待ちしています。興味がある人は問い合わせてください。