高橋 信哉さん(1等陸尉)
陸上自衛隊 第46普通科連隊第2中隊長
国防という大きな責任を担い自分自身を成長させていく
小学生の頃から高校卒業まで野球に明け暮れていた私。「将来はスポーツで培った強い体と心を生かせるような職場で社会貢献したい」と、自衛隊員になることを決意しました。国防という重責を担い、自分自身が成長できる環境だとも感じたからです。なかでも身体能力を存分に発揮できる陸上自衛隊を選択。最初に配属されたのが海田市駐屯地で、その後は幹部試験を受けて、九州や四国の駐屯地を経験し、静岡県の陸上自衛隊富士学校から再び海田へ戻ってくることとなりました。これまで自衛隊員として複数の災害現場も経験。東日本大震災をはじめ、平成30年7月豪雨、熊本地震など、各地の現場で人命救助や復旧作業に携わってきました。特に甚大な被害を被った東日本大震災では寝食を忘れて作業に没頭。隊員皆「一人でも多くの命を助ける」という強い気持ちを持って任務に当たったものです。自衛隊というと厳しい訓練を思い浮かべる人が多いと思うのですが、そこで育まれる仲間との絆は言葉では言い表せないほど強いものです。仲間の存在の頼もしさや温かさを知っているからこそ、目の前の困っている人を助けようという気持ちが自然に生まれるのだと思います。
まちの特性を知り災害に対する備えを
私が現在赴任している海田町(カイタチョウ)は、山と川に囲まれた自然豊かなまちです。美しく、住みやすい地域であると同時に、自然災害の脅威をはらんでいる面も否めません。平成30年7月豪雨の際には、多くの住宅や道路に大きな被害が出たことは記憶に新しいと思います。地形的な特性から、大雨が降ると土砂災害や浸水のリスクが高くなるのです。住民の皆さんにはぜひこのことを知っていただき、3つの備えをお願いしたいと思います。1つ目は、「命を守る行動を“知っておく”」こと。ハザードマップを確認し、自宅や職場がどんな災害に弱いのかを把握しておいてください。避難場所や避難経路を家族と共有しておくのも大切です。2つ目が「必要なものを“そろえておく”」こと。豪雨や土砂災害時の避難に備え、夜間でもすぐに動ける準備をしておきましょう。玄関は常日頃から片付けておいて、もしもの時にすぐに靴が履けるようにしておく環境が望ましいです。また、非常時の持ち出し品として、3日分以上の水と食料、常備薬、懐中電灯、モバイルバッテリーなどが必要です。3つ目は、「地域と“つながっておく”」こと。高齢者やこども、支援が必要な人のために“共助の体制”をぜひ育ててほしいです。自治会で行われる防災訓練、防災フェアなどに積極的に参加されることをおすすめします。災害はいつか必ずくるものです。そして、いつ、どこで起きるかわかりません。どうか今日からできる準備を、ひとつずつ始めてほしいと思います。
地域と交流を深め防災意識を醸成する
私は現在、海田市駐屯地で隊員の管理や指導、訓練計画を立てるといった業務のほかに、まちの防災会議や防災フェアに携わるといった災害時対応や広報活動などにも従事しています。6月8日(日)に海田町(カイタチョウ)役場で行われる「防災フェア」は、防災に対する意識を高めるのにうってつけのイベント。パトカーや白バイ、ミニ消防車などが展示され、地震体験やAED操作、災害VR体験などができます。もちろん自衛隊も参加し、自衛隊車両の展示やラッパ吹奏などを行う予定です。備蓄食を用いた高校生によるアイデアメニューの試食ができたり、キッチンカーが並んだりと、家族皆で楽しみながら防災について学べる有意義な企画なので、ぜひ多くの皆さんに足を運んでもらえればと思います。今後の目標は、中隊をより強くしていくのと同時に、地域との交流を深めて災害に対する意識の高いまちづくりに貢献していくこと。私がこれまで学んできた先輩方の背中を思い出しながら、有事の際は的確な判断力と迅速な決断力で被害を最小限に抑え、まちを守り抜く役目を全うしたいと思っています。そして海田町(カイタチョウ)は、自然に恵まれつつ交通アクセスの良い本当に暮らしやすいところ。家族で気に入っているこのまち、さらに私の自衛隊人生の原点があるこの場所で、少しでも皆さんの力になれればと思っています。
MY Favorite 海田のお気に入り
瀬野川沿いと海田市駐屯地
ランニングコースとして活用している瀬野川沿いで、心身共にリフレッシュ。また、勤務地である海田市駐屯地では、春の桜まつりや駐屯地記念日行事、夏まつりなど地域住民の皆さんと交流を深めるイベントを多数開催。公式webサイトをぜひチェックしてみてください。
出演者募集
かいたブランド課(役場3階)
電話番号823-9212メールアドレスbrand@town.kaita.lg.jp
広報かいたにご出演いただける人を募集中。自薦他薦は問いません。海田町(カイタチョウ)で活躍していたり、新しいことに取り組んでいたり、まちのことが大好きな人をお待ちしています。興味がある人は問い合わせてください。