信原宏(のぶはら ひろし)さん 井手幸子さん
海田町(カイタチョウ)出身(井手さんは島根県出身)/海田町(カイタチョウ)消防団
プロフィール
のぶはら ひろし
海田町(カイタチョウ)消防団団長。3分団、総勢90数名(スウメイ)の団員を統率し、火災や災害発生時(ハッセイジ)の初動対応を担っている。また、祭りの残火(ザンカ)確認、年始に行われる出初式(デゾメシキ)など、地域に欠かせない存在として活躍。
プロフィール
いで さちこ
海田町(カイタチョウ)消防団女性部部長。消防団副団長を務めていた夫の勧めで入団し、女性団員を牽引している。日中は保険外交員として勤務。現在、子連れでも活動しやすい女性部を目指して奮闘中。
今だからこそ見直したい 地域連携と人とのつながり
海田町(カイタチョウ)消防団に入団したのは20歳の頃。 生まれも育ちも海田町(カイタチョウ)で、役場に勤めている知り合いに「飲み会も多いよ」と勧められたのがきっかけです(笑)。実際に職業や年齢など立場を超えた仲間ができるので、意義のある場所だと思います。ただ、訓練や出動でプライベートの時間が削られることも多いので、「自分の手で町(マチ)を良くしたい」という思いのある人に入団をお勧めしたいです。地域のつながりが希薄になったと言われて久しい昨今ですが、有事の際に支えになるのは、地域や人とのつながりです。災害発生が珍しいことでなくなっている今、海田町(カイタチョウ)はどんな町(マチ)で、どんな人たちが暮らしているのか、あらためて自分事として見つめ直してほしいです。(信原)
海田町(カイタチョウ)消防団の女性部が再結成されたのは15年前。当時は3名しか団員がいませんでしたが、現在は10名で活動しています。育児経験のある団員も多いので、お子さん連れのご家族のサポートなど、女性(ジョセイ)だから活躍できる部分も多いと思っています。(井手)
災害発生時(ハッセイジ)は近隣住民と助け合いを
防災に対する意識は、いつも通りの日常を送っているとなかなか高まらないものです。皆さんの意識が向上したのは、やはり平成30年に起きた豪雨災害がひとつのきっかけだったように思います。ご存じの通り、ここ海田町(カイタチョウ)も甚大な被害をこうむりました。海田町(カイタチョウ)は二級河川の瀬野川が流れ、その支流もいくつかあることから、豪雨のときには氾濫が起きやすい地形です。また、日浦山(ヒノウラヤマ)の土砂崩れ(ドシャクズレ)も数ヶ所(スウカショ)起きたため、どこが危険区域か身をもって知った人も多いはずです。防災で大切なのは、自分の住む地域にどんな危険が潜んでいるのかを把握しておくこと。浸水なのか土砂なのか、どんなリスクにさらされるのかを知っておくだけで、もしものときに迅速に対応できます。どんな災害が起きたのか、過去の事例を長年地元に住む人に聞いてみるのも有効です。それらを知るのは、やはり地域とそこに住む人たちとの交流があってこそ。消防団だけではなく、自治会や町内会に関わろうとする人が少なくなっていますが、自分や家族、周りにいる人の命、暮らしを守るため、地域で手を取り合う姿勢が必要なのではないでしょうか。(信原)
自然災害が発生した際、どのタイミングで避難すればいいのか、判断に迷う場合も多々ありますよね。基本的には防災無線で避難地域や避難所(ヒナンジョ)の場所をお知らせしていますが、ひどい雨のときは聞き取りづらいことも多いです。海田町(カイタチョウ)では有料で防災ラジオの貸し出しをしているので、ひとつ備えておくと放送が聞きやすくて便利です。ここ最近は新型コロナウイルスの感染対策も気になるところですので、マスクや消毒液などの除菌グッズも持ち出し品として常備しておきたいですね。小さいお子さんのいる家庭なら、普段使っているミルクや離乳食、おむつなども忘れずに。避難所(ヒナンジョ)で何か困ったことがあれば、消防団員に気軽に声をかけてほしいです。そして消防団では、そんなお手伝いをしてくれる入団希望者を随時募集しています。現在はコロナの影響で中止になっていますが、女性部では幼稚園や保育園で火災や災害にまつわる紙芝居、寸劇などを行う活動もしています。明るく元気な人、地域のために頑張ろうと思える人、大歓迎です。有事の際に自分の身近な人だけでなく、一人暮らしの人や体(カラダ)の不自由な人を率先して気にかけてくれる団員が増えたら 嬉しいです。(井手)
MY Favorite 海田のお気に入り
信原さん
瀬野川河川敷と飲食店
瀬野川の河川敷で月に一度の訓練を行って(オコナッテ)いるためなじみのある場所。また、懇親会等で訪れる飲食店は、団員募集チラシを置いてくれたりと友好的。すてきなお店が多いです。
井手さん
懐の深い、温かな人たち
県外から嫁いで四人の子どもを育てあげる中で、支えてくれる人が周りに多くいました。消防団の活動の中でも、今度は私が若いお母さんたちを支えていきたいと思っています。