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今をときめくまちのあの人に会いに行く ボリューム7

海田町(カイタチョウ)にゆかりのある人を毎月ピックアップし、現在の活動や仕事から、海田町(カイタチョウ)への思いまで深掘りしていきます。

11月号では、西国街道・海田(カイタ)市ガイドの会の会長・百本邦子さんと事務局長・乗重文夫さんを取材しました。かつての宿場町海田(カイタ)市の趣を聞かせていただきました。ガイドの会についてくわしくはP16を確認してください。

百本邦子さん、乗重文夫さん

共に東広島市出身/西国街道・海田(カイタ)市ガイドの会

プロフィール

ひゃくもと・くにこ

西国街道・海田(カイタ)市ガイドの会会長。結婚を機に海田町(カイタチョウ)に移住、海田町役場職員、教育委員会職員として勤務。町の歴史に精通しており、幅広い知識を生かし、会を牽引し盛り上げている。

のりしげ・ふみお/

西国街道・海田(カイタ)市ガイドの会事務局長。会社を退職後、中国新聞で見つけた同会の募集に惹かれ入会。

2人とも海田郷土文化研究会、海田歴史散策会のメンバーとしても活躍する。

公募で歴史好きが参加 西国街道の趣を伝えていく

現在約15名が活動する「西国街道・海田(カイタ)市ガイドの会」は、海田町(カイタチョウ)がガイドメンバーを公募して誕生しました。当初は30名ほどの応募があったようですが、活動の内容が思いのほか多岐にわたること、仕事をしながらだと活動が困難などの理由で、半数ほどが残ったかたちです。

定例会なども開いているので、時間を作るのが難しい場合もありますが、来れる人が来れる時に参加するスタイル。毎回参加しているメンバーは6名ぐらいだと思います。歴史好きな人が多いため、情報交換したりおしゃべりを交えて楽しく活動しています。(百本)

メンバーの募集があったのが2010年。正式な発足は翌年の2011年4月でしたので、ガイドとしてどのようなコースを案内するか考えたり、パンフレットを制作したりなど、大急ぎで準備を整えました。モニターを募って初めてコースを回ったのが2011年3月。海田町(カイタチョウ)内のかたが20から30名参加してくれたのですが、「知らないことがいっぱいあった」「歩いて見て回るのが楽しかった」というような感想をいただき、とても励みになりました。(乗重)

ときを超え歴史ロマンに思いを馳せて

西国街道・海田(カイタ)市史跡を案内するガイドは毎月第4土曜に開催する定期ガイドと、5名以上の参加で開催する随時ガイドの2種類があります。どちらもコースは同じで、海田(カイタ)市駅から出発して主要史跡を見ながら約2時間半かけて歩きます。3年前には「もっと違うコースも歩いてみたい」という声をいただき、西国街道・東海田と瀬野川史跡を散策するコースもできました。見どころはそれぞれありますが、どこも宿場町として栄えた頃の面影や、主要道路であった西国街道の趣が随所に漂っています。海田町(カイタチョウ)は原爆投下時に焼失を逃れたため、そのままきれいに残っている史跡も数多くあります。とくに、海田(カイタ)市の氏神であり三十六歌仙の絵馬が飾られている熊野神社や、県の重要文化財かつ名勝指定の庭を有している旧千葉家住宅は、ぜひたくさんの人に一度は見てほしい史跡です。

未来を予想するのは難しいけれど、歴史を紐とくことは学びを深めていけば可能です。そしてひとつ知識が得られると、今度は関連付けた興味がもっと広がってきます。昔の人たちはこんな暮らしをしていて、こんなことを考えていたのかもと想像するのは、ロマンがありますよね。そして史跡には“後世の人たちにこれを伝えたい”と願って作った当時の人たちの思いが込められています。それを読みといて、さらに伝えていくのが、現世を生きる私たちの役目かもしれません。(百本)

メンバーの特色あるトークが魅力

ガイドの仕事は、もちろんその名の通り案内することですが、メンバーによりトークの得意分野が違います。例えば私は江戸から明治の時代にかけてがとくに好きなので、旧千葉家住宅を訪れると豆知識みたいなものもよく話します。お風呂場は湯船に浸かるというより、背を流してもらう感覚で使用されていたこと、その際に床に敷いていた敷物が今の「風呂敷」の語源になっていること、お手洗いには刀置き場があり、そこに宿泊していた上級役人たちが、いかなる時も気を抜けなかったということなどです。メンバーそれぞれの違ったトークに耳を傾けるのも、ツアーの楽しみかたのひとつかもしれません。

ガイドの会に入った活動当初はあらかじめ作っておいた原稿を読むだけでしたが、そのうち自分の中で伝えたいことをアレンジして話すようになりました。今ではガイドが少なくなっている他地域のお手伝いに伺うこともあります。私のように歴史好きな人間にとってはガイドそのものが楽しいですが、ほかの地域の人たちと交流が持てるのも活動の魅力。私たちのツアーにどこかの歴史研究会のかたが参加してくれた場合、次は私達がその会にお邪魔したりと、人脈がどんどん広がっていきます。歴史好きの人も、そうでない人も、いろいろな楽しみかたができると思うので、活動に興味のある人は、ぜひ気軽に参加してもらえたら嬉しいです。(乗重)

ヒトと、地域と、ときを結ぶ ガイド活動をこれからも

ガイドに使用するパンフレットは2種類ありますが、どちらも広島国際学院大学情報デザイン学科の学生さんが作ってくれたものです。活動を行う上で、若い世代のかたたちと連携でき本当に有意義だなと感じています。先の乗重さんの話にも出てきましたが、他地域の人たちとの交流も持てますし、この活動が人と人、地域と地域を結ぶ役割を担ってくれているなと感じます。そしてもちろん、過去から今へと、ときを結ぶ役割も。これら大きな醍醐味のある活動を今後も続けていけたらと思っています。(百本)

毎年、海田町(カイタチョウ)内の小学校の児童さんに学校区内の史跡を案内しています。そこで学びを得た児童さんたちが、今度は参観日に父母の皆さんをガイドして回ってくれました。子どもたちの中に学びが息づいてくれたんだと大変嬉しい気持ちになりました。ガイドの会の人材不足や、自分の住むまちに興味が持てない人も多くいたりと、歴史の伝承には困難な点も多々ありますが、これだけの文化遺産を生かせないのはもったいない。先人(センジン)たちのいき様や知恵が詰まった西国街道と周辺史跡の魅力をこれからも発信していきたいです。(乗重)

MY Favorite 海田のお気に入り

自然豊かで歴史薫るまち並み

日浦山の桜、瀬野川公園の桜、河川敷の桜…春になるとまち全体がピンク色に色づくような、自然豊かな景色が大好きです。(百本)

歴史を感じる場所が好き。一番は西国街道の顔ともいうべき旧千葉家住宅です。織田幹雄さんの功績を称えて作られた記念館がすぐ横にあるのも嬉しいです。(乗重)

今をときめくまちのあの人に会いに行く 募集

企画課(役場3階)

電話番号823-9212

メールアドレスkikaku@town.kaita.lg.jp

広報かいたにご出演いただける人を募集中。自薦他薦は問いません。海田町(カイタチョウ)で活躍していたり、新しいことに取り組んでいたり、まちのことが大すきな人をお待ちしています。興味がある人は上記の連絡先より問い合わせてください。