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今をときめくまちのあの人に会いに行く ボリューム11

海田町(カイタチョウ)にゆかりのある人を毎月ピックアップし、現在の活動や仕事から、海田町(カイタチョウ)への思いまで深掘りしていきます。

3月号では、音楽の教員として長く勤めた後、海田町(カイタチョウ)国際交流協会などさまざまな団体と関わりを持ち、まちづくりに貢献している沼静香さんにお話を聞かせていただきました。

沼静香さん

海田町(カイタチョウ)国際交流協会 名誉会長

プロフィール

ぬま・しずか

音楽の教員として長く現場で尽力し、退職後も海田町(カイタチョウ)国際交流協会ほか複数の団体と関わりを持ち、まちづくりに貢献。平成8年に同協会の理事を引き受け2年後には会長に。その後、22年間同協会を牽引する。御年87歳の現在は同協会の名誉会長と海田町(カイタチョウ)文化スポーツ協会の顧問を務める。

音楽と教育がもたらした充実の日々と人とのつながり

広島大学の音楽科を卒業後、教員として一生懸命歩んできました。定年を迎えた後は1年ほどゆっくりしましたが、お声をかけていただいて海田中学校とと海田西(カイタニシ)中学校で70歳過ぎまで外部の教員として音楽の授業を担当しました。部活動に関しては80歳過ぎまで関わっていたので、まさに音楽と教育に打ち込んだ人生です。海田町(カイタチョウ)と縁ができたのは昭和45年のこと。海田小学校への赴任がきっかけでした。その後は海田中学校でもお世話になり、吹奏楽部の顧問も務め、県の吹奏楽コンクールで賞を獲るほどまでに部活に熱を入れました。子どもたちのキラキラした目や、成長していく姿を間近で見られるのは、教員の醍醐味ですね。現在、福祉センターで“サンフラワーズ”という童謡を歌う会の活動をしているのですが、生徒の保護者だった人の参加も多いんです。高齢者を対象にしているので、生徒の祖父母の人たちや、最近ではおとうさんお母さんにもよくお会いします。「先生、お元気そうですね」「あの頃は本当にお世話になって」と話しかけていただけると、とてもうれしく温かな気持ちになります。

子どもたちの知見を広げる異文化交流

海田町(カイタチョウ)国際交流協会の活動に関わるようになったのは、教員を退職してすぐのことでした。それまで海外の文化に強い興味を持っていたわけではないので、「理事になってくれないか」と言われたときは驚きましたが、「子どもたちが異文化に触れ、知見を広げられるお手伝いができるなら」と思い、お引き受けすることにしました。活動の幅はとても広く、おもには青少年の海外研修と外国人の海田町(カイタチョウ)へのホームステイの手配。ほかにも交流会や勉強会など、各種イベントを企画しています。海外研修にも何度か同行しましたが、色々と驚くことが多かったです。マレーシアに行った際には、現地の民族の踊りや音楽で出迎えてくれ、とても感激しました。外食文化が盛んなシンガポールで、本場のチキンライスを食べたのも思い出深いですね。子どもたちは海外の文化に触れ、おおいに刺激を受けたようでした。研修に参加した子の中には、その後教員になり、「若いうちに必ず一度は海外に行ったほうがいい」と、しょっちゅう生徒に話している人もいるようです。きっと何かしら得るものがあったのでしょう。

平成14年に広島で行われた日米草の根交流サミット大会では、アメリカから来日したかたのウェルカムパーティーを国際会議場のホールで開いたり、各地を案内しました。また、オーストラリアの中高生たちが来日した際には、海田中学校や海田西(カイタニシ)中学校で一緒に授業を受けていただいたのですが、午後までびっちり授業があり、自分たちで掃除することにも驚かれていましたね。

まちのくらしになじめるお手伝いを

もうひとつ、私たちの活動の柱になっているのが、まちに住む外国の人たちがくらしになじめるようサポートをしていくこと。交流会や日本語教室を開き、人とのつながりを作ったり、日本語を学ぶ手助けをしています。私たちが教えてもらうこともとても多く、例えば当時海田町(カイタチョウ)に住んでいた南米出身の人たちが開いてくれるサッカー教室は、親子連れに人気でした。インド、ドイツ、ブラジルなど、各国の料理を教えてもらえる料理教室を開催したり、海田市(カイタシ)駅周辺で行われていた「フェスタひまわり」では、ひとつの通りを外国の屋台のみで彩って、色々な味を食べ歩きできるようにしましたが、すごく好評でした。

「またやってほしい」という声も多いので、いつか同じような取り組みができたらいいですね。日本語教室については、在留外国人の皆さんの間で情報がひろがり、教えてほしいと学びに来られる人がいらっしゃいます。災害が起きたときの対応や、各種手続きなど、広報紙でお知らせはしていても、日本語の読み書きができなければ理解は難しいものです。そういった困っている人たちの手助けができればいいですね。仕事を退職して時間に余裕のある人が、「何かお手伝いできれば」と言ってメンバーになってくれることも多いので、活動に興味のある人は、ぜひお気軽にご参加いただけたらうれしいです。

文化度を高める2つの活動海田町(カイタチョウ)を心豊かなまちに

他にも英語を学ぶ英会話教室を開いたり、活動の写真を展示するパネル展を企画したりと色々な催しをしていたのですが、新型コロナウイルスのまん延で、ここ最近ではほとんどの催しが中止になっています。小学校から英語教育が始まっているせいか、生きた英語に触れられるイングリッシュサマーキャンプは人数制限を設けるほど申し込みが殺到する人気企画だったので、ぜひ落ち着いたら再開したいと考えています。

年齢を重ね、からだにも不安を覚えるようになってきたので、令和2年3月を最後に国際交流協会の会長職をしりぞかせていただくことにしましたが、同協会の名誉会長と海田町(カイタチョウ)文化スポーツ協会の顧問という立場を与えていただきました。今後もまちのために何かできることがあるのなら、喜んで関わっていきたいです。海田町(カイタチョウ)は、「ふれあいコンサート」や「エクシモン弦楽四重奏団演奏会」など、音楽活動もさかんです。私の人生の軸になってきた音楽、そして教員退職後の日々を彩ってくれた異文化交流の活動で、海田町(カイタチョウ)がもっともっと心ゆたかで文化度の高いまちになっていくことを願っています。

MY Favorite 海田のお気に入り

海田総合公園管理棟からの眺め

海田総合公園の管理棟で、かつては「うたごえ会」で楽器を持ち込んでライブ活動をおこなっていました。ここから眺める夕日がとても素晴らしく、海田湾がオレンジ色に染まっていくさまは今でも忘れられません。音楽とともに心の中に息づいている、大切にしたい光景です。

今をときめくまちのあの人に会いに行く 募集

企画課(役場3階)

電話番号823-9212

メールアドレスkikaku@town.kaita.lg.jp

広報かいたにご出演いただける人を募集中。自薦他薦は問いません。海田町(カイタチョウ)で活躍していたり、新しいことに取り組んでいたり、まちのことが大すきな人をお待ちしています。興味がある人は上記の連絡先より問い合わせてください。