小畑 佑蔵さん
一般社団法人海田町(カイタチョウ)文化スポーツ協会会長
プロフィール
こばたけ・ゆうぞう
2021年3月、「一般社団法人海田町文化スポーツ協会」設立と同時に会長に就任。 1990年から現在まで社会教育委員を務め、2013年 に広島県教育賞を、2015年に文部科学大臣賞の表彰を受ける。以前は中国電力の社員として手腕を振るい、退職後はOB会会長に就く。
「ひとがすき、世話がすき」海田町(カイタチョウ)をより良いまちに
私が海田町(カイタチョウ)でくらすようになったのは、昭和50年のことです。仕事の転勤でこちらに移り住むようになりました。もともと世話好きで人好きの私は、頼まれたことは何でも引き受けるタイプ。海田のまちを良くしていきたいと、多彩な活動に携わってきました。一番最初に手がけたのは「フェスタひまわり」。ここでふわふわドームを出すことになり、その手助けができる人を探していたので、設営などに関わらせていただきました。その後は体育指導委員(現・スポーツ推進委員)や社会教育委員、織田幹雄スポーツ振興会会長、地域安全推進委員など、数え切れないほどの役を務めてきました。根っこにあるのは、海田のまちを良くしたいという思い。めざすは「いつでも、どこでも、誰でも、楽しい生活ができるまち」「人に優しい、心と心の触れ合う機会の多い安らぎのあるまち」「参加型のまちづくりで、個性と活カ(カツリョク)のあるまち」「少しの力をみんなで出しあう、無償のボランティアがあふれるまち」です。現在は海田町(カイタチョウ)文化スポーツ協会の会長を務め、これらが達成できるよう、日々たくさんの人と力を合わせ、提言や企画をおこなっています。
しっかりと育んでいきたい地域連携
「一般社団法人 海田町(カイタチョウ)文化スポーツ協会」は、海田町(カイタチョウ)の文化・スポーツ活動の振興をにない、文化・スポーツ活動の活性化、レベルの向上や保護に貢献することを目的に生まれた団体です。背景には、これまでそれぞれ独立していた文化とスポーツの団体を統合することで窓口をひとつにし、両輪として各分野が発展していくようにという思いがあります。詳しい事業内容としては、文化系やスポーツ系の講座に関すること、文化イベントやスポーツ大会の開催、文化・スポーツ団体の連携の促進に関することなどがあります。今、協会には約110の講座があり、1600名以上の会員が参加しています。この講座が円滑に進んでいるかの管理や公民館の手続きなどがわれわれの仕事ですので、今回窓口がひとつになったことで、以前より便利になったと感じていただ<会員のかたもおられるのではないかと思っています。海田町(カイタチョウ)はコンパクトで、「おーい」と皆に声をかけると、端から端まで声がいき届くようなアットホームさと連携の良さがあります。まちの人たちには、さまざまな活動にどんどん関わってもらい、この連携をさらに強化していけたらいいですね。大きな団体とは別に、自分が住んでいる地域のかつての青年部「畝クラブ」にも関わっています。こちらは皆で野球観戦に出かけたり、地域の盆踊りの設営をしたりと、より小さなコミュニティです。大小関わらずの地域団体に属することで、まちのことがよく把握できているのかもしれません。
「智」と「経験」を地域に還元する
ほかにもしていることはたくさんあり、例えば「かいた七夕さん」では事前に竹を用意して幼稚園や保育園、企業に短冊と一緒に配り、できあがったものを飾る取り組みをおこなっています。さらに現在は空き家整備にも力を入れ、まちの資源を何とか有効活用できないかということも考えています。もともと色々とアイデアを出したり、企画をすることがすきなので、頭の中にはやりたいと思っている計画がたくさん。インターネットの普及を促進し、「山の里親」(竹やぶ整備や登山道の改修)、「川の里親」(瀬野川や小川の草取り、排水管理によるホタルの復活)、「みどりの里親」(公園緑地の手入れ、空き地活用)といった里親制度の新設、放置自転車の再利用で町内どこでも乗りすてOKの自転車を作るなど、いろいろな思いを書きとめ、機会があれば提言するようにしています。
生まれて約3万日(82歳)という年齢を迎え、現在働いている人たちから年金をもらってくらせているのだなと、つくづく感じるようになりました。その人たちにどうやって報いることができるのか少しずつ考えるようになり、自分には今まで長く培ってきた「智」と「経験」があるのかもと気付けたのです。物(金)で感謝を伝えることはあまりできませんが、この「智」と「経験」を生かし、少しでも地域に還元できればと思っています。
ひとりひとりができることを ハートフルインカイタに
振り返れば、自身の原点は学生時代にさかのぼるのかもしれません。広島県立福山誠之館高等学校を卒業し、心身共に鍛えていただきました。誠之館高校の「誠」の字は、長く私の指針になっている一文字。「言う」と「成す」からなる「誠」は、口にしたことを必ず実行する私の生きかたそのものです。また、会社員時代に培われた企画力や実行力は、今も私の中に息づいており、色々な活動をする上でのベースになっています。これまで数々のプロジェクトに関わってきましたが、やはりうれしいと感じるのは、周りからの感謝の言葉。「ありがとう」の一言に心満たされ、少しでも役立てるようがんばろうと生きています。活動の基盤になるのは、町民ひとりひとりの力。「住民の住民によるまちづくり」が大切なのかもと思っています。海田町(カイタチョウ)の人口3万人のことをひとつのまちがするのではなく、3万人の人が、自分にできることをひとつずつやれば、まちはきっとさらに良くなっていくはずです。参加する喜びを味わいながら、「ハートフルインカイタ」を合言葉に、皆さんと一緒にまちづくりをしていきたいと思っています。みんなで頑張りましょう!
MY Favorite 海田のお気に入り
何でもそろう住みやすいまち
海田町(カイタチョウ)は、海、山、川、公園など、ひと通り何でもそろうすてきなまちだと思います。くらしやすさが近年の人口増加にもつながっているのではないでしょうか。瀬野川付近は朝晩と散歩をする人が多く、犯罪抑止にもつながっている気がします。