旧千葉家住宅は、近世山陽道(西国街道)の宿場町として栄えた海田にあって、宿駅の要職を勤めた千葉家の旧宅です。
御茶屋(本陣)や脇本陣に準ずる施設として、要人の休泊などにも使われた本住宅は、街道沿いに面して建ち、主屋・角屋・座敷棟および泉庭により構成されています。
中でも安永三年(1774)に建築された座敷棟は、同時期に立てられた付属建物や泉庭とともに、建築当初の統一感ある接客空間の面影を今によく伝えており、平成3年に書院が広島県重要文化財、泉庭が広島県名勝に指定されました。
千葉家には、寛政元年(1789)の屋敷略図が残っており、主屋と角屋は主に日常の生活空間として、座敷棟は接客用の空間として使い分けられていました。古図によると、かつては奥行きがさらに長く、屋敷を取り囲むように蔵や住居があり、主屋の東側から後方には酒造関係の建物が立ち並んでいたようです。
現在、文化財に指定されている座敷棟は、江戸時代中期の安永三年(1774)の建築です。玄関の間・次座敷・本座敷の他、渡り廊下で浴室、厠といった付属施設とつながっています。
中心となる本座敷には、床の間が設けられ、面皮柱を用い、床脇に付書院を組み合わせるなど、全体として数奇屋風の趣向でまとめられています。
庭園については、江戸時代の早い時期に営まれたと考えられ、安永三年(1774)の書院建替と同時に改造されました。庭の最奥部には、千葉家由来の妙見神がまつられ、築山や滝口には古い部分を残しながら、大きな立石をつくばいとして配するなど、優れた意匠がみられます。
第2、4土曜日の前日から連続する4日間
※ただし、団体見学の際は、上記以外の日程でも見学が可能ですが、別途申請が必要となります。
10時~16時
無料
無料(住宅公開時間のみ・大型バス不可)